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大柳工業のよもやま話~5~

皆さんこんにちは!

大柳工業株式会社、更新担当の中西です。

 

~“変遷”~

1|火花から“品質×データ×安全文化”へ

かつて溶接は「つなぐ腕前」。
いまはWPS(溶接施工要領書)×トレーサビリティ×NDE(非破壊検査)×安全衛生で結果を保証する産業へ。
キーワードは 自動化・高能率・省修正・デジタル見える化・人材育成 です。


2|〜1970年代:被覆アークとガスの時代

  • 主流法:被覆アーク(SMAW)、ガス溶接/切断、サブマージアーク(SAW)※造船・橋梁。

  • 現場力:姿勢変化・歪み取りは職人の勘。記録は紙台帳。

  • 品質管理:外観・曲げ試験中心、放射線探傷(RT)が点的に導入。

  • 安全:防火・火気管理は“注意喚起中心”。

👉 「量をつくる」「人に頼る」が色濃い創成期。


3|1980〜1990年代:半自動とインバータ

  • 機器:インバータ電源が普及し低スパッタ・安定アークへ。

  • プロセス:CO₂/MAG(GMAW)、TIG(GTAW)が配管・薄板・SUSで拡大。

  • 手戻り低減:開先・ルート管理、予熱・入熱管理の標準化。

  • 検査:UT(超音波)・PT/MT(浸透・磁粉)をロットで運用、欠陥率の指標化が進む。

  • 安全:アース・感電対策、遮光具・換気の基準強化。

👉 「半自動=均一化」が現場の生産性と品質を押し上げた時代。


4|2000年代:ロボット化とドキュメント整備

  • 自動化:アークロボット・ポジショナ・ナローギャップMAG/FCWで厚板も高能率化。

  • 文書管理:**WPS/PQR(施工法確認)/WQ(溶接士資格)**の整備が常識に。

  • 切断前工程:CNCプラズマ・レーザーで開先の精度向上→手直し減。

  • NDETOFD・位相配列UTの活用が広がり、内部欠陥の検出力が向上。

  • 外注管理:材料ミルシート・ロット管理・熱番号のトレーサビリティ運用。

👉 品質を**“人”から“プロセスと記録”**へ移す転換点。


5|2010年代:デジタル見える化とBIM/CIM連携

  • データ化:電流・電圧・ワイヤ送給・入熱をデータロガーで収集、異常検知と再現。

  • 工程統合:BIM/CIMのモデルに開先・順序・治具を反映、干渉・歪みを事前評価。

  • 高付加価値レーザー・ハイブリッド、オービタルTIG、摩擦攪拌(FSW)※非融接の選択肢。

  • 安全衛生:ヒューム対策(集塵・局排・呼吸用保護具)、ホットワーク許可・火気監視の徹底。

  • 教育VR/ARトレーニング、欠陥サンプルで原因-対策の型化

👉 **“見える溶接”**で、品質・コスト・安全をワンセット管理。


6|2020年代:人手不足×自動化×グリーン

  • 人材:ベテラン減→コボット(協働ロボ)・位置補正センサで段取り時間を短縮。

  • 高能率×省修正:低スパッタワイヤ・パルスMAG/デュアルパルスで研磨・仕上げを最小化。

  • 遠隔・非対面リモート立会・電子黒板、溶接記録をクラウド台帳で共有。

  • サステナブル:エンジン溶接機の稼働最適化、省エネ電源・再生材鋼への対応、研削粉・ヒューム排出の低減。

  • 新分野洋上風車・水素関連配管・LNG低温材など高難度領域でWPSの厳密化が加速。

👉 **“止めない・漏らさない・燃やさない”**品質文化へ。


7|技術の肝🛠️

  1. 入熱=歪み=手直しコスト:電流・電圧・速度で入熱バランスを設計。

  2. 開先精度>溶かし方:前工程の切断・組立で8割が決まる。

  3. 水素割れ三要素:拡散性水素・拘束・硬化組織——予熱・後熱・低水素管理

  4. 姿勢適合の選定:PF/PGは波形制御MAG・細径TIGで安定化。

  5. NDEの読み替え:PT/MTは表面、UT/TOFDは内部。欠陥像→原因→対策を即時ループ。

  6. 安全は工程:火気許可・可燃物半径・換気・アース・感電・墜落・酸欠のチェックリスト化


8|ビジネスモデルの変遷:工数売りから“結果保証”へ 💼

  • :人日×材料の出来高契約。

  • 欠陥率・再溶接率・溶接速度・記録提出まで含むSLA型へ。

  • 差別化:WPS三段階(ベーシック/高能率/ハイインテグリティ)、NDE合格保証歪み予測報告

  • 連携:製作・現地・塗装・足場・仮設の工程一体化でロスを最小。


9|“選ばれる会社”の運用テンプレ📐

  1. 3プラン見積
    ベーシック(標準WPS+NDE一式)/ハイプロダクティブ(低スパッタ波形+仕上げ最小)/ハイインテグリティ(高拘束・低温材向け手順+追加NDE)。

  2. 見える化キット
    材料ロット・開先図・入熱範囲・姿勢別条件・溶接記録サンプル・NDE計画を1冊に。

  3. 歪み管理
    溶接順序図+仮付ピッチ+対称溶接計画の事前合意。

  4. 品質KPI週報
    欠陥率、再溶接長さ、仕上げ工数、NDE不合格率、ヒューム測定結果。

  5. 安全SOP
    ホットワーク許可、火花養生、局排・集塵、感電対策、火気監視と余熱監視


10|KPI📊

  • NDE不合格率(%)/再溶接率(%・m)

  • 入熱レンジ順守率(%)/歪み補正工数(h/継手)

  • スパッタ量(kg/月)/仕上げ研磨時間(min/m)

  • ヒューム測定結果/災害・ヒヤリハット件数

  • 帳票提出期限遵守率/原価率・歩留まり


11|100秒ストーリー📘

橋梁の現場。T継手・厚板・立向上進、拘束が強く水素割れのリスク
事前に低水素材の管理・150℃予熱・入熱上限・後熱をWPSで合意。
当日、対称溶接→層間温度管理→TOFD即日評価
結果、NDE合格率100%・歪み補正ゼロ

「手直しがない現場は静かだ」——工程がそのまま品質だった。


12|明日からできるミニ改善 ✅

  • 開先・ルート間隙の現調写真を全継手で保存(手直しの元を断つ)。

  • 入熱の現場記録(A×V×60/速度)を日報テンプレに。

  • 低スパッタワイヤ+波形の見直しで仕上げ時間を20%短縮。

  • NDE不合格の原因5分類(開先/条件/姿勢/材料/環境)を月次レビュー。

  • 火気監視のチェックリストをA6一枚で携帯化。


溶接工事業は、
**「腕の時代」→「半自動・標準化」→「ロボット・文書管理」→「データ×安全×サステナブル」**へ進化。
これからの鍵は、入熱と開先の設計、歪みと仕上げの最小化、データ記録、NDEと安全の即時ループ

今日の一歩――“WPSの再点検”と“品質KPI週報”の導入から。
小さな型が、手直しゼロ・事故ゼロ・納期死守を現場の当たり前にします⚙️🔥

 


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